ちょっと寄り道してみませんか?
教会やキリスト教周辺のいろいろ、ちょっといいお話
例年にない暑い夏、京都、祇園祭が行われました。
祇園祭には山鉾が京都の街を巡行するのが一番の見せ場ですが、この山鉾に飾られるのがとても歴史のあるタペストリーです。
その山鉾のひとつ、函谷鉾(かんこぼこ)には16世紀に作られたベルギー製の毛織物(ゴブラン織)、旧約聖書の創世記の物語を題材にした『イサクに水を供するリベカ』という織物が掛けられるのです!
それを一度、本物を見たいと思い、猛暑38度の京都を訪ね、実物に出会ってきました。
7月16日の宵山に行ったので、タペストリーは保存会の中に展示されており、手の届くほどの距離で眺めることができ感激でした。
色鮮やかなものは、同じ柄を新調したものだそうです。
このイサクとリベカが京都の街を堂々と練り歩いているのは、イサクもリベカもびっくりでしょうね。
(注:山鉾巡行の写真は函谷鉾保存会でいただいた冊子に掲載されている写真です。)詳しくは(公財)函谷鉾保存会ホームページで。http://www.kankoboko.jp
川西市に在住のシャドーボックス作家大橋禾苗さんがつくられた「ドーモ ミラノ大聖堂」を展示中。
★シャドーボックスとは
紙に印刷されている絵を何枚もカットし、重ね、3Dに仕上げていくものです。
写真ではその精巧さをお伝えできないのが残念です。
★シャドーボックス教室
聖峰教会では大橋先生のお弟子さんであられる松丸克代先生のシャドーボックス教室が月1度程度、開かれています。
その教室の製作中の様子を撮影しました。シャドーボックスの立体感が少し伝わるかと思います。仕上がっていく楽しさと喜びは作った人だけが味わえます。日常の煩わしいことを忘れ、一時、没頭する緻密な作業です。興味をお持ちの方はご一報ください。
聖峰教会ではリードオルガンを礼拝の時に使用しています。聖峰教会が伝道所として創立された当初、兵庫教区事務所に置かれていたオルガンを譲り受け、それ以来、聖峰教会の礼拝になくてはならない存在としてしっかり働いてくれています。
このオルガンは、なんと明治期につくられたかなり古いオルガン西川製のリードオルガンです。NISHIKAWA & SONS YOKOHAMA・JAPAN 4ストップ、61鍵盤です。製造番号は21182。オルガンを修理に出したところによると、同じ西川製リードオルガンで「39113」という製造番号のオルガンがあるということで、そのオルガンが明治39年頃製造といわれています。聖峰教会のオルガンはそれよりもさらに古いオルガンということになりますよね。かなりの希少価値があるのかもしれません。
NISIKAWA & SONS YOKOHANA という楽器屋はもう現在はありません。ヤマハ楽器に吸収されたということです。譜面台には西川オルガン特有の草花彫文が施されています。
神学校は牧師になるために必要な、キリスト教、聖書、言語、歴史など、基礎的なことから専門的なことまで学びを深める学校です。現在、日本キリスト教団の認可学校として6校の神学校があります。関西には、関西学院大学神学部、同志社大学神学部があり、関東には、東京神学大学、東京聖書学校、日本聖書神学校、農村伝道神学校があります。これらの学校で学んだ後、日本基督教団の教師試験を受験することになります。教師試験に合格すると、按手礼(あんしゅれい)、准允(じゅんいん)を受けて、正式に日本キリスト教団の教師(牧師、伝道師)となります。もちろんキリスト教の他教派の神学校もこの他にあります。
私の出身校は関西学院大学の神学部です。現在、関学の神学部には伝道者養成コースとキリスト教文化思想コースがあります。以前は、入学する際、洗礼を受けているキリスト者という条件がありましたが、現在、関学神学部入学に際して条件は設けられていません。入学時に牧師になりたいと志をもっている学生は伝道者養成コース、キリスト教について学びたいという学生はキリスト教文化思想コースを選ぶことができます。神学部は牧師になる人だけが入るわけではありません。また、神学部では牧師に必要な学びの他、教員免許取得のための学びも平行して行うことが出来ます。
関学は総合大学なので4年間の学びをしますが、2年間の基礎的な学びの上、歴史神学、組織神学、旧約、新約聖書神学、実践神学等の専門分野を選択して、専門的に学びをしていきます。大学卒業後、牧師となる道、就職する道へと進む人もいますし、さらに大学院に進み、修士課程、博士課程に進み研究を深めることもできます。
今思い起こすと、神学部では、自分では知ることの出来なかった神学の窓があることを知りました。その後、学校を卒業しても様々な窓を持ち、開けていく大切さを感じています。私の知らない外の風を受け、肌に感じ、自分が成長したり変わり続けて行かなければと日々思っています。
牧師は人々の苦しむ魂が少しでも平安になり、神さまに救われるための道案内です。牧師自身が力を持っている訳ではありません。道はいろんな道があり、まっすぐでもなく、高速道路もありません。その道をいっしょに歩く、そのための学びを神学校は助けてくれます。
神さまへの道案内のための牧師として献身しようと志をもって、今、学びをしている方々のことを覚えて祈りたいと思います。
ミナト神戸の寺院巡り
当教会の神田健次牧師が執筆者の一人である『ミナト神戸の宗教とコミュニティー』(関西学院大学キリスト教と文化研究センター編)を道案内にして、神戸の北野周辺、元町周辺にある教会、寺院を巡り歩いてみました。神戸は外国人居留地が置かれた場所で、現在も当時の異人館が残っていて、これは訪れる人も多い観光名所です。外国人が神戸に住むようになると、彼らのコミュニティーにとって大切な宗教施設(信仰の拠り所)も建てられました。前述の本に紹介されている寺院すべてを回ってみることは出来ませんでしたが、北野坂近辺を歩くだけでもとても興味深い寺院、教会に出会うことが出来ます。こんなに近い距離に様々な宗教寺院が共存しているのが驚きです。異人館巡りより、もっとマニアックでたのしい寺院巡りです。
上の写真はカメラマンの腕が悪いので、お見苦しいかと思います。まじまじと近寄ってみると本当に彫刻などがすばらしく、感動しました。
それから、各国のおいしいものも食べられるのが神戸のよさで楽しみの一つです。でも時に、「シェフがお祈りに行ったので今、作れないんです!」と言われることもあるかも。(これは私が体験したほんとのはなし。)
それと、本の中で神田牧師が書いておられますが、元町商店街にはコーヒー豆を1878年(明治11年)に販売したお茶屋さん「放香堂」も営業しています。(現在は日本茶しかないかもしれませんが。)カフェ探しもいいですね。私は元町商店街にある「はた珈琲店」でひとやすみをしました。ウェッジウッドのカップで珈琲を出してくれました。
神戸に興味のある方、詳しく知りたい方は、ぜひ前述の本を読んでみてください。まだまだ知らない神戸に出会えるでしょう!